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お金と物ばかり、人の心はどこへ

さいたま市に住んでいた頃、車で大分県を旅行した際にガソリンスタンドで、「お客さん、埼玉から来たんですか!?」と言われたことがありました。

車の大宮ナンバーを見て気付いたのだなと思い、「大宮知ってるんですか?」と聞くと、「浦和レッズの本拠地ですよね、知ってますよ。」とのこと。

「大分にもトリニータありますよね。」などとサッカーの話をしましたが、旅先で地元を知っている人がいると嬉しいものだなと思いました。

 

私はセルフのガソリンスタンドは好きではありません。

面倒なうえにお金とガソリンのやり取りしかないからです。

特に旅先ではセルフは避けます。

フルサービスのガソリンスタンドであれば、リッター1、2円程度しか違わないのに、お金とガソリンのやり取りだけでなく、人との会話、窓拭き、ごみ捨ても付いてきます。

お得でしょ?

ごみ捨てをお願いしたことは人生一度もありませんが、

窓を綺麗に拭いてもらったら嬉しくてたまりません。

私にとってこの嬉しさはリッター1円、2円以上の価値があります。

 

さいたま市に住んでいた頃、近くにあるフルサービスのガソリンスタンドの従業員さんが、実に綺麗に窓を拭いてくれていました。

その人だけでなく、誰であっても綺麗に拭いてくれる。

そのガソリンスタンドのポリシーなのでしょう。

いつも洗濯機で洗った雑巾を用意しているようで、すべての窓を綺麗に拭きあげたらその雑巾は洗濯機へ。

拭き残しなどなく完璧に拭きあげてくれるので、それが気持ち良くて頻繁にそのガソリンスタンドを利用していました。

 

先日、板橋区に用事があり、帰り際久しぶりにそのガソリンスタンドを利用しましたが、相変わらずお見事でした。

まるでF1のピット作業の如く、1人がガソリンを入れ、2人が両側から窓すべてを拭きあげ、あっという間に次の車へ。

気持ちのよい仕事振りと綺麗な窓でさらに気持ち良くなり、帰りのドライブも気分良く無事帰宅。

いつまでもフルサービスのガソリンスタンドでいて欲しいですし、鶴ヶ島にもこのようなガソリンスタンドがあればな・・・・と。

 

なんだか、世の中、お金と物のやり取りばかりになって、他人のちょっとした心遣いに触れることが無くなってきたように思います。

他人の心遣いに触れないとなると、自分自身も他人に対して心を使わなくなるのでは?と危惧しています。

そんな中、ちらっと目にしたニュースに、コンビニ業界でセルフレジ導入を検討というものが。

これでまた、人の心を必要としない場所が増えることに・・・

自分一人だけでお金と物のやり取りをして、人を介せずに完結してしまう。

そこに人の心のやり取りは無い。

人件費削減によって儲けが増えたり、価格が安くなるなどのメリットがあるのでしょうが、数値にはできない目に見えないメリットを失うような気がします。

人とのやり取りが無いということは、人の心を考える必要がないということ。

それが当たり前になり、人の心を考えない人ばかりになると世の中どうなるのか。

少なくとも良くなるとは思えません。

 

大分県でセルフのガソリンスタンドを利用していたら、大分の人とサッカーの話をすることなどなかったでしょう。

今でも大分のガソリンスタンドでの出来事を覚えているのは、そこに人が居たからです。


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